インフレ期待と消費増税

インフレ期待にコミットする人々は消費税増税反対派が多いようですが、CPIと消費税の歴史を見てみると税率が0→3%の1989年と3→5%の1997年にものすごいインフレが起きていることが分かる。(ちなみにいわゆる高度経済成長が終わってからではこのタイミング以外に年率1%以上のインフレになったことはほぼない)
短期的にはこれほど実現性の高いインフレ(期待)発生方法はないと思うのだが増税反対派、賛成派ともにこの件には触れてない人が多い。人間はバカで不合理なので増税を上手にアナウンスすれば慌てて不必要なものまで買い込むのでそれなりに効果ありそうなんですが、この効果がその後の増税ダメージより小さいとする根拠あるのだろうか。少なくとも取るに足らない論点には思えないのだけれど。
まあ例によって結論に関係なく歯切れの悪い議論になるので人気がないんでしょうねー

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思うに世の中には赤の他人と話すときには2つ以上の要素が逆方向に働く構造をした話をしちゃいけない(正確にはそういう話をするやつの言うことは聞き流してOK)という暗黙のルールがあるような気がする。その手の話は無視されるか「複雑ですね」でお終いにされてしまう。
道端で「市役所へはどっちへ行けばよいですか」と聞いたら答えてもらえるかもだけど、「市役所へ行く最適な手段を教えてください。ここでの最適とは所要時間をx分、費用をy円としたときに50x+4yを最小化する手段のことです。ただし到着時刻は窓口の閉まる16時は超えないものとします」とか聞いたら絶対答えてもらえない。
この例はやりすぎにしても世の中、経済を筆頭に結構そういう構造をした問題は多い。そうなのだけど聞いてもらえなきゃ意味のない人(政治家とか)は単純で聞こえのよい(でも間違ってる)ネタで勝負するしかない。(来年から市役所へは行く必要がありませんみたいな話とか、、)
それをまた正義感あふれるいい人がまじめに糾弾したり、自分の富と権力のために利用したりする人がいてわけの分からない状況になっている、というのが日本中のあちこちで起きてるわけですね。昔からそうだしこれからもそうなんだろうなー。
このルールを変えられたら痛快だと思います。