文明崩壊読了

やっと読み終わりました。

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)

要約すると、文明の崩壊は歴史的にはほとんど環境問題とそれによって引き起こされる紛争(具体的には資源の奪い合いや殺し合い)によるものである、ということらしい。あとは実例や現代社会へのフィードバックを色々と述べている感じ。以下箇条書きで思いつくままに感想をば。

  • やっぱり僕は歴史を知らなさ過ぎる

モアイ像で有名なイースター島やバイキングの例とか有名で面白い話が色々でてきたけどもっと歴史に対する教養があったら楽しめたろうな、という印象。

  • 環境問題について

現状の先進国の生活水準は環境破壊を貧しい国に「輸出」することで成り立っているという趣旨の記述があって、言われてみればその通りと言う感じ。日本は一時期より国内の環境は改善されているようだけどこれはおそらく技術革新、意識改革というよりはカネの力なんだろうな。著者の言葉を借りれば最後に滅ぶ権利を買っているということなる。でもこれは単純にカネで買うのが悪いということじゃなくてかなり複雑で難しい問題。
カネの力(正確にはカネの人を動かす力)はうまく仕組みを作ってやれば効率的に環境破壊を回避するツールにもなるという趣旨の主張にはその通りだと思った。ハイブリット車と燃費のひどいSUVを同時ヒットさせる車会社の例が挙がっていて、結局企業は(個人もだけど)儲けを出すように活動するし、そのことを否定するよりはその枠組みの中でうまく個人合理性と集団合理性の折り合いをつける方法を考えたほうがうまくいきやすいということが述べられていた。具体的な提言については僕の判断能力をはるかに越える問題なのでなんともいえませんが、これは全体象としては僕の信条とマッチしてた。偏見かもしれないけど環境問題論者は悪い意味で人道主義者が多い気がするのでこういう主張は価値があるようにおもう。まあ、結局不確定要素が多すぎて最終的には運が一番デカい要因になるという気は毎度の事ながらしますが。

  • 分量、体裁

内容の割りに少し文字数が多い気がします。暇な人が読むにはいいけど少し繰り返しが多いかな、と。
…最後についサラリーマン気取ってしまった。。