自殺者数と自殺率

一瞬びっくりした。
20〜30代自殺率、最悪…動機に生活苦
僕だけかもしれないけど、このタイトルは20、30代が世代別で最悪の自殺率になったと読める。もちろんそんなことはなくて20、30代の自殺率が歴代最悪を記録したというニュースでした。
そんなつもりはないと言われればそれまでなんですが、ある世代では「自殺率」を論じてほかの世代では「自殺者数」で論じるなどの稚拙な手法で「世間の先行き不安から若年層の自殺率が増加している」というストーリーを強引に印象付ける文章だなと感じます。

参考までに平成16年10月1日現在推計人口
集計年が違うので正確ではないのですが、これをもとに50、60台自殺率を概算すると
50代:40人 60代:44人(ともに10万人あたりの自殺者数)
一方20、30代はこのニュースによると
20代:24人 30代:26人

別にスポンサーどうこうという話題でもないので、たぶん年寄りが将来に絶望して自殺しまくっているなんてニュースは誰も見たくないからこういう偏向報道になるんだろうけれども。
こういう記事はマスコミも民間企業である以上むしろ優秀な記事なんでしょうが、報道というジャンルの性質上、真面目を装ってこういうことをやられるのが薄気味悪く感じる。
主義主張のない事実を淡々と伝える新聞があればとるのにな(正確にはそれだけじゃなくて、加えて主観的な「意見」を新聞記者じゃなく政治家や専門家がその旨明記して書いてある新聞)社説とかマジいらないですわ。(ちなみにこういうのこそ市場原理主義の弊害だと思うんだけど田舎のお医者さんの話とかの方が「みんなが聞きたい」話なのでこういうのは絶対出てきません!)
みんなが見聞ききしたい話しかしないのは、ワールドカップ報道とかだけにしてほしいなあと。
まあ穿った見方をする人の愚痴でしかないけど。