棚卸

今年読んだ本で書くタイミングがなかったやつをまとめて棚卸してみます。

集合への30講 (数学30講シリーズ)

集合への30講 (数学30講シリーズ)

おもに学生時代に読んだ本。大学の集合論の授業がなぜか土曜にしかなく、毎年履修申告はするもののついに一度も授業には出席できなかったので、卒業間際に読んでみた次第。
同じモノをグループにするという素朴な考えから出発して、ちゃんと選択公理の浮世離れした世界まで概観ではあるけれど連れて行ってくれるよくできた本でした。
子供のころから違和感無く受け入れていた整数や実数が真面目に考えるといかに気の狂ったものであるかがわかります。あと、対話形式のコラムで質問役の学生っぽい人の発言が超不自然に鋭くて面白かったです。

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知ってる古文の知らない魅力 (講談社現代新書)

知ってる古文の知らない魅力 (講談社現代新書)

面白かった。昔の日本は既存の作品を引用して少しアレンジした作品を盗作と見なす文化は無かったそうな。なぜそうであったかとか、そういった社会の妥当性なんかは一切考慮せずに、お気楽に源氏物語とか徒然草とかそれぞれの古文の良い所、例えばここはどこそこのあの文を引用しているけどそのことがかえって読者に付随的な知識を与えて深みのある文章にしている、みたいに(まあ著者の主観ではあるけどそれなりに説得力がある)熱く語っていて楽しい本でした。こういうエンタテインメント担当の学者も居ていいよね。少しは。

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危機の宰相

危機の宰相

まあまあ面白かった、気がする。真面目に考えると難しい本。

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ウンコな議論

ウンコな議論

読み物としては面白いです。というかそれ以上を期待してはいけませんね。
この本の言葉使いに従えば、僕はウンコでない議論なんてほとんど見たこと無いですけど。そして数少ないウンコでない議論は往々にして独りよがりだったりする。まったくウンコな世の中ですな。
とりあえず今日はここまで。もしかしたら次回もあるかもしれません。