専門用語

珍しく全編通して「わかる!」となった記事。
「詰みがある」という情報の使い方
将棋観戦の話とかはまったくその通りだと思う。そして

つまり、将棋の対局は、対局者同士が、もの凄い量のディテールを含んだ専門的な議論をしているようなものだが、その難解な論争を圧縮して、争点を理解する為の敷居を下げるのに有効な言葉が、将棋にはたくさんあるのだ。

この「難解な論争を圧縮して、争点を理解する為の敷居を下げるのに有効な言葉」の有無は将棋に限らず他人と有益な議論をするための肝だと思う。人間は馬鹿で横着なので、同じことを言っていても長ったらしい文章で言われるのと「詰めろ」とか一言で言われるのとではそれに対する反論や質問の返せるスピードが全然違う。紛糾する会議がこの種の言葉の誕生で綺麗に整理される様は壮観ですね。
ただし、経済学とか人文系の分野は専門用語の定義が時に曖昧でこの種の情報圧縮効果のご利益は薄い。(議論の相手と定義について合意していない専門用語を使う人は頭が悪いか詭弁者の少なくともどちらかだと思う)
ちなみに僕が現実によく見る専門用語の使われ方第一位は、「意味を知らない人の前で使って暗に素人は黙ってろ的なメッセージを送ることによりその後の議論を有利に進めようとする」です。